医療系研究職のお仕事とは?活躍できる職場・年収、転職事情を徹底解説!

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医療系研究職は、医薬品メーカーでのがん・認知症などの研究や、医療機器メーカーなどでの医療技術研究に従事するお仕事です。医療系研究職の就職・転職先には、どんな職場があるのか、また、求められるスキルや年収についても徹底解説します。

 

医療系研究職はどんな職場で活躍している?

医療系研究職は、どんな職場で活躍できるのでしょうか。これからチャレンジする方が具体的イメージを持てるように解説します。

 

医療系研究職のお仕事とは?

医療系研究職の仕事である研究分野にはいくつかの種類がありますが、大きく分けて以下の3つの分野があります。

 

・基礎研究

分子生物学や細胞生物学の手法を用いて、生体内のメカニズムや疾患の原因を解明する研究です。新しい治療法や薬剤の開発に向けた基盤となる知識を提供します。

 

・臨床研究

医療現場での実際の患者データを収集し、治療法や診断法の効果や安全性を評価する研究です。臨床試験や観察研究などが含まれます。

 

・疫学研究

人口や集団を対象にして疾患の発生率やリスクファクターを調査する研究です。公衆衛生政策の策定や疾患予防のためのデータを提供します。

それぞれの分野で、医療技術・遺伝子・ゲノム・薬理・医療情報などの専門性のある方が研究を行います。

いずれも、研究計画の立案・実験・分析・論文やレポートの執筆など、基本的には1人で自立して多くの業務をこなすことが求められます。専門的知識を常に学習し、長く粘り強く取り組むことが求められる仕事です。

 

医療系研究職の所属先を調査!

医療系研究職は、さまざまな職場で活躍することができますが、以下では医療系研究職が活躍する主な所属先を紹介します。

 

・大学・研究機関

大学や医療研究機関は、医療系の研究職にとって重要な職場です。基礎研究や臨床研究など、幅広い研究テーマに取り組むことができます。また、学生指導や論文執筆なども行うこともあります。

医学部で研究を行うことは、もともと入学難易度が高いので、非常に狭き門で難関ではあります。しかし、他の理学部や工学部学部でも医療分野に結果を生かせる研究をしていることがあり、必ずしも医学部でのみ研究を行うものではありません。

 

・医療機関・病院

大きな病院や医療機関には、研究部門や臨床試験センターが存在します。新しい治療法や医療技術の開発、効果の評価などの研究が行われています。臨床現場と連携しながら、実践的な研究に取り組むことができます。

 

・ファーマ・バイオテクノロジー企業

医薬品やバイオテクノロジー関連の企業では、新薬の研究開発や臨床試験、医療機器の開発などが行われています。産業界での研究は、市場ニーズに合わせた成果を生み出す重要な要素です。

 

・政府機関・公的機関

政府機関や国立の研究所などの公的機関でも医療系の研究職が求められています。公衆衛生や医療政策の研究、エビデンスに基づく指針の策定などが行われています。

 

・メディカルラボ・研究施設

民間の研究機関やラボも、医療系の研究職が活躍する場所です。例えば、診断検査のためのラボや、健康管理に関する研究を行う施設などがあります。

 

外資・海外出張など国際派のお仕事もあり!

医療系研究職は外資系企業や海外で活躍することができます。実際に、医療研究や医学関連の研究は国際的な性格を持っており、国境を越えて共同研究が行われたり、国際的な臨床試験が行われたりすることがよくあります。そのため、医療系研究職が海外で求められることもあります。

また、医療系研究職が外国語を使用する機会は多いです。英語は医学分野において国際共通のコミュニケーション言語となっており、多くの研究論文や学術情報が英語で発表されています。

海外の研究機関や国際的なプロジェクトに関与する際には、英語を使用してコミュニケーションを取る必要があります。また、海外での学会や研究会に参加する場合や、国際的な研究チームで協力する場合も英語が必要です。

したがって、外国語(特に英語)のスキルは医療系研究職にとって非常に重要です。国際的な視野を持ち、異なる文化や研究環境で活動できる能力は、キャリアの幅を広げる上で大きなアドバンテージとなるでしょう。

 

転職事情は?

医療系研究職は、疾病や、疾病予防の需要がなくならないことから、今後も高い需要が続くと見込まれています。良い条件で転職することを目指すなら、給与や福利厚生だけに目を奪われずに、注目しておきたいポイントは以下のとおりです。

 

・需要と専門分野の影響

医療系研究職の需要は、特定の研究分野やテーマによって異なることがあります。一部の分野は常に高い需要がある一方、新たな医療技術や治療法が登場することによって需要が変動することもあります。専門分野のトレンドや将来性を注意深く観察することが大切です。

 

・資格とスキルの重要性

医療系研究職では、専門的な資格やスキルが求められることが多いです。例えば、臨床試験の実施経験やデータ解析の能力、特定の疾患に関する専門知識などが重要です。これらのスキルを持っている場合、転職先での競争力が高まります。

 

・学術的実績とネットワーク

研究分野での学術的実績や専門的なネットワークも転職に影響を与えます。論文の発表や国際的な学会への参加など、自身の専門分野での活動は、他の機会を引き寄せることがあります。

総じて、医療系研究職の転職においては、自身のスキルや専門性をアピールする方法を確立し、市場の動向や需要に対する適切な対応を行うことが重要です。また、キャリアの戦略を明確にし、長期的な目標を考慮して転職を検討することも大切です。

派遣からの転職も同様です。医療系研究職は、さまざまな働き方があり、柔軟に働ける職種です。派遣で働くこともその一つですが、スキルや専門性のアピールに成功できれば、正社員登用や、給与アップも十分期待できます。

 

 

医療系研究職のスキル・学歴は?

医療系研究職で働くために必要なスキルとはどのようなスキルでしょうか。また、プラスになるスキルがあるかも知りたいところと思います。そこで、必須とみられるスキルとあればプラスのスキルを以下で解説します。

 

こんなスキルが必要、医療系研究職

医療系研究職に求められるスキルは、専門的な知識や能力だけでなく、コミュニケーションや問題解決能力も含まれます。以下に、医療系研究職に求められる主なスキルと関連する学歴について説明します。

 

・専門知識

医療系研究職は、特定の医学分野や研究テーマに関する深い専門知識が必要です。疾患のメカニズム、治療法、医療技術などに関する知識が求められます。

 

・研究デザインと実施

研究の計画、デザイン、実施、データ収集などのスキルが必要です。

 

・臨床試験の知識

薬剤や治療法の臨床試験を行う場合、臨床試験のプロトコル作成や法規制に関する知識が求められます。

 

・データ解析と統計

研究データの解析や統計処理を行うスキルが研究結果の信頼性を高めるうえで重視されています。研究で利用できる程度の統計解析ソフトウェアの使用経験・RやPythonの基本スキルや基本的な統計学の知識が求められます。

 

・コミュニケーション能力

研究結果を専門家以外の人にもわかりやすく説明する能力が求められます。論文の執筆や学会発表、プレゼンテーションのスキルが必要です。また、チーム研究が多いため、チームでのコラボレーションを円滑に進められるスキルも求められます。

 

・学術的実績

論文の執筆や学会発表など、学術的な実績が求められることがあります。これは専門的な信頼性を高めるためにも重要です。

学歴については、医療系研究職に求められる学歴は様々ですが、一般的には医学部、生命科学、薬学、生物学、化学、工学などの学士・修士・博士号を持つ方が多いです。特に博士号を持つ研究者は、高度な研究と専門知識を持つことが期待される場合があります。

総じて、医療系研究職には専門的な知識とスキル、コミュニケーション力、問題解決能力などが求められます。自身の専門分野に関する深い理解と、研究活動を円滑に進めるための幅広い能力を持つことが重要です。

また、のちに詳しくご紹介しますが、働き方は柔軟に変化させることができます。派遣で専門分野の経験を十分積んでから、さらに上を目指すような働き方も可能です。雇用形態をフレキシブルに使い、専門性を伸ばす戦略を立てることができます。

 

英語も高評価につながる

医療系研究職では一般的に専門性が高まるほど、英語で書かれた文献も多く目にすることとなります。また、国際的なコラボレーションを伴う研究や、外資系でのポストも多くあるのが医療系研究職です。

こうした実際の研究のありようから、高い英語力があると活躍の場も広げることができます。また、外資系での上級研究職の場合は、会話力・英語をつかったコミュニケーションのスキルは必須とされることも多いものです。医療系研究職では英語力は磨いて損がない、といえるでしょう。

 

バックグラウンドは意外に多彩

医療系研究職に求められる学歴は様々ですが、修士・博士号を持つ方が多いです。特に博士号を持つ研究者は、高度な研究と専門知識を持つことが期待される場合があります。

ただし、求められるスキル自体は多彩です。医学部、生命科学、薬学、生物学、化学、工学、栄養学、農学など理系の多彩な分野の出身者が医療系研究職で活躍しています。

また、学歴は新卒時ではやや重視される傾向にありますが、中途採用になるとあまり重視されないことが多くなります。中途採用では実力主義的な傾向も強いので、より実績と専門性が評価されやすくなるのです。中途採用では、実績・経験を上手にアピールすることも求められます。

 

 

医療系研究職、収入は?

医療系研究職の収入は、経験年数や、専門性によって大きく変動し、長期キャリアの形成により、高収入を狙えるようになります。

 

医療系研究職の収入は平均より高い?

日本の医療系研究職の平均年収は、一般的には、他の研究職と比較しても高収入であることが多いですが、キャリアの段階や個々の状況によって異なります。

平均するとサラリーマンの平均年収より高く500万円ほどとされますが、経験年数やポジションによって変動します。経験年数により、1000万円が狙える職種であり、外資系の製薬会社では、10年超の経験を持つ管理職などになると2000万円を超える求人もみられます。

 

医療系研究職の働き方・経験年数に応じた収入の変化は?

また、実力主義の医療系研究職では、専門性が高くなると、年収が増える傾向にあります。年功序列の傾向はそれほど高くなく、年齢が若くても、専門性で評価される機会も多くあるようです。

ただし、一定のポストとなると、経験年数が多くの組織で採用基準となっているようです。多くの会社で管理職・上級職ポジションの登用は、経験年数の目安がおおむね10年ほどとされているようです。

 

長期キャリア・管理職登用で高収入も

目安としては10年ほどの経験年数があると、キャリアアップ・高年収が期待できるようになるといえるでしょう。また、専門性に加え、英語・プログラミングなどのスキルや職務上これらのスキルを利用した経験があると、年収アップにはプラスに働く傾向があります。

 

 

医療系研究職のキャリアプランを上手に立てよう

医療系の研究職は、今後も難治性疾患の研究や、ヘルスケア需要の高まりなどがあり、全体的に市場の見通しが明るいため、キャリアプランは立てやすい傾向にあるといえるでしょう。また、データ重視の傾向があり、今後はIT等異業種から狙うことも可能であり、多様な人材が医療系研究職で活躍可能です。

働き方も正社員・派遣・業務委託など、活躍の方法も柔軟に変えることができます。ライフイベントなどに合わせて、上手に働き方を変えながらチャンスをつかむことも可能です。もう少しキャリアプランの上手な立て方について具体的にご紹介します。

 

柔軟な働き方が可能

医療系研究職の中でも、とりわけ民間企業で働く場合には、正社員での長期雇用・契約社員・派遣社員・業務委託など、雇用・従事形態が多様です。プロジェクトも短期から長期まで多種多様であり、経験とスキルに合わせて参画することが可能です。

ライフプランに合わせて、あるいは、スキルアップの計画に合わせて働き方を柔軟に考えてみるのもキャリアプランの描き方のコツといえるでしょう。

ポイントは長期的な視野をもって考えてみることです。一時、勉強や、家族の世話のためペースを落として働いても、10年後・20年後の自分がやりたいこと・やっていたいことを実現できれば焦る必要はありません。

 

他業種からの転職も可能

先程もご紹介した通り、医療系研究職では研究の信頼性が重視され、データによる検証を求められます。IT分野・データサイエンスなどの他業種から医療系研究職へ転職することも十分可能です。

市場が縮小することがあまり考えられない分野ですので、もし他業種からの転職を考える場合も、具体的にどんな求人で力が発揮できそうか、ぜひこまめに情報収集をしてみましょう。

 

ヘルスケア業界は成長中、活躍の場は広がる見通し

医療系研究職の市場ニーズが世界的に特に高まりそうな分野の1つがヘルスケア分野です。健康・疾病予防のブームが本格的に日本にも到来しています。

ヘルスケア産業の世界市場規模は、現在300兆円ほどですが、2032年には、約525兆円と拡大が期待されています。世界の自動車産業の市場規模が現在400兆円ほどですが、将来はヘルスケア産業の逆転が予想されています。

国内でも50兆円を超える産業へ成長することが期待されます。むしろ将来の人手不足も危惧されるほどです。

医療系研究職の活躍の場も増えるでしょう。予防医学や、栄養学・人間工学などより多くの医療系の研究職の活躍が期待できるうえ、他分野からの参入も増加する見込みです。

 

 

まとめ

ヘルスケア業界が現在成長産業であることを背景に、医療系の研究職の業務内容もさらに多様化しているようです。基礎研究・臨床研究だけでなく、データ解析や社会医学研究の分野にも成長が見込めます。

医療系研究職は、柔軟な働き方が実現しやすい分野でもあるので、転職を目指す場合は、上手にキャリアプランを立てて長期の活躍を狙ってみましょう。

派遣で高い専門性を身に着けるようなプランも十分可能と考えられます。ライフイベントにあわせて柔軟な働き方にシフトし、チャンスを長期的に狙うことも戦略の一つです。

RDサポートでは、医療系研究職のお仕事を多数扱っており、長期のキャリアプランを強力サポートしています。対応力が高いことでも定評がありますので、一度キャリア相談をしてみましょう。

 

 

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