食品研究職のお仕事とは?活躍できる職場・年収や将来性について深堀してみた!

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食品研究職は、新卒学生にも人気で、志望する方が多い職種です。食品研究職の就職・転職先として、具体的にどのような会社があるのか、また、求められるスキルや得られる収入、将来性について徹底解説します。

 

食品研究職はどんな職場で活躍している?

まず、食品研究職がどんな職場で活躍できるのか、仕事内容とあわせてご紹介します。

 

食品研究職のお仕事とは?

食品研究職の主な業務内容は、食品の成分分析、品質評価、新製品の開発、食品の安全性評価、味や風味の改善、加工技術の研究などです。研究職は科学的な手法を駆使して、食品の品質向上や新しい食品の開発に取り組みます。

派遣・正職員を問わず、仕事内容は専門的で、また経験が高く評価されます。

 

食品研究職の所属先を調査!

食品研究職は、大手食品メーカーや食品関連の研究機関、大学の研究室などで働くことが一般的です。日本には多くの食品メーカーや研究機関があり、研究環境は先進的であることが多いものです。

これらの伝統的な食品研究職の職場に加えて、新しい分野や、一見意外と思われるようなところにも活躍の場があります。

 

意外なところでも活躍可能

美容業界と食品業界は、「美容食」の分野では重なり合いがあります。そのため、美容業界で食品研究の知見をもって活躍する方も増えています。

また、外食産業向けコンサルティングを専門に手掛ける会社などでも研究・研究経験のある専門職の求人があります。日本食が世界的なブームになっている昨今では、専門にコンサルティングを手掛ける会社でのグローバルな活躍の可能性もあるのです。

食品関連のコンサルティング会社で、専門知識を活かして企業へのアドバイスや食材開発などの支援を行うことは、新しい活躍の場かもしれません。研究・開発だけでなく、戦略策定や業務プロセスの改善なども含めて、幅広い案件に関与できます。

さらに、経営にビッグデータを積極的に活用する現在では、データを専門に取り扱うシンクタンクや、市場調査機関など、食品研究の知見が必要になる分野で活躍している方もいます。食品研究職のキャリアは広がっているところです。

 

転職事情は?

食品研究職の転職事情は、職種や分野ごとに事情が少し異なるようですが、人気の食品メーカーなどでは、狭き門とされることが多く、実際の応募者も優秀な方が多いようです。

しかし、食品メーカーに限らず視野を広げると、チャンスを広げられます。以下で、各職種や分野ごとに転職事情をまとめてみました。

 

・上位ポジションの研究職

食品研究職の中でも、より高度な専門知識や経験が求められるポジションへの昇進が考えられます。プロジェクトリーダーや部門マネージャーなど、指導的な役割での活躍が期待されるポジションです。

同じ会社・研究所で昇進するだけでなく、新ポストに応じて外部からの人を募集するケースも見られます。転職の場合、やや狭き門となりがちですが、キャリアアップのためにチャレンジしてみるのもよいでしょう。

 

他社・同職種への転職

転職で最も多いケースがこのパターンです。食品メーカーから、同じ食品メーカーへの転職で、より経験のある方を求めているケースや、新しいプロダクトラインの立ち上げ・増員など、募集の背景はさまざまです。

食品産業も、著しく市場規模が拡大している分野などがありますので、転職を考える方は求人情勢にも注目し、情報収集をこまめに行うことをおすすめします。

 

近接・応用分野への転職

食品研究職のスキルや専門知識は、他の関連分野にも応用できる場合があります。

例えば、医薬品開発、環境問題、バイオテクノロジーなど、食品研究に近い分野であり、食品研究の応用で対応できる分野への転職も考えられます。先ほどご紹介した、美容やコンサルティング・データ関連業界もまた、応用分野ということができます。

特定のスペックや、経験年数などが求められますが、その分野のパイオニアになるチャンスもあり、やりがいがあることでしょう。

 

研究機関・大学の教育・研究職

食品関連の研究機関や大学で教育や研究に従事する道もあります。教育を通じて次世代の研究者や専門家を育てる役割や、新しい研究を推進する役割があります。

ポストは多くないので、狭き門となりがちですが、それまでの研究実績のある方なら、より高い転職可能性があるでしょう。

 

マネジメントポジション

食品研究職から経営・マネジメントの分野に転身し、企業の中でリーダーシップを発揮する道もあります。例えば、大きなプロジェクトをリードした経験のある方などは、成長に応じて組織全体の戦略策定やビジョンの実現に貢献することができます。

実際には、いきなり経営参画というより、経営者候補の一角として管理職としての募集が一般的と考えられます。

 

 

食品研究職に求められるスキルとは?

食品研究職で働くためには、高度な専門知識に加え、経験が重視されています。

 

食品研究職に求められるスキルのキホン

食品研究職には、食品科学や化学、栄養学などの専門知識が必要です。そのほかに、仕事を進めるうえで求められるスキルがあります。

 

・専門知識と経験

食品関連の専門知識や研究経験が求められます。製品開発や品質管理の経験、食品安全や栄養学の知識などが評価されます。

また、科学的な実験や分析技術、統計処理のスキルも重要です。新しい食品素材や技術のトレンドにも敏感であることも求められます。

 

・プロジェクト管理

研究には成果が厳しく求められます。成果を迅速かつ効果的に達成するためのプロジェクト管理能力が重要です。

 

・コミュニケーション

研究はチームで進めるため、チーム内外とのコミュニケーションが円滑に行えることが求められます。

 

・分析能力

データを分析し、問題を解決するための能力が必要です。

 

・イノベーション

新しいアイディアやアプローチを提案し、業務改善や新商品開発に貢献できることが評価されます。

 

こんなスキルがあればプラス

 

プログラミングとデータ分析

プログラミング言語(例: Python, R)やデータ分析ツールのスキルを身に着けることで、大量のデータを効果的に分析し、傾向やパターンを発見する能力が向上します。これは、品質管理や製品開発プロセスの最適化、市場分析などに役立ちます。

 

マーケティングの基礎知識

食品製品を開発する際に、市場ニーズや競合状況を理解することは重要です。マーケティングの基本的な原則を学ぶことで、製品開発やブランディングにおいて市場への適切なアプローチを持つことができます。

 

外国語能力

グローバルな環境で仕事をする場合、外国語のスキルは大きなアドバンテージとなります。特に英語は国際的なビジネスコミュニケーションにおいて非常に重要です。

これらのスキルは、食品研究職に限らず多くのキャリアで役立つものです。専門分野以外のスキルを磨くことで、より幅広い業務に対応できるだけでなく、自己成長やキャリアのアップグレードにも寄与します。

 

学歴・専攻で差が出る?

確かに、専攻分野や大学院卒であるかどうかは、最初の就職時には影響を与えることが多いと考えられます。特に大学や大学院で食品科学、栄養学、生物学、化学などの専攻を修めた場合、食品研究職へのアクセスが容易になる可能性が高いです。また大学や研究所では、修士・博士号がないと、そもそもつけないポストもあるでしょう。

しかし、中途採用では、学歴や専攻以上に、実際の実務経験や習得したスキルが食品研究職におけるキャリアに大きな影響を与えます。プロジェクトや研究の実績、特定の技術や分析手法の熟練度、チームでの協力経験などが評価されます。また、コミュニケーションスキルやプロジェクト管理能力などもキャリアの進展に影響を与えます。

総合的に言えば、学歴や専攻は出発点として重要な要素ですが、その後の実績やスキルの習得、キャリアの積み重ねが、最終的なキャリアの成果に大きな影響を与えると言えるでしょう。食品研究職のキャリアは、自身の努力と継続的な学習・成長によって築かれるものです。

 

 

食品研究職、収入はどれくらい?

食品研究職の求人の中には高収入もあります。働き方・経験年数・年齢ごとに収入も変化するようです。以下で詳しくご紹介します。

 

食品研究職の収入は平均より高い?

食品研究職の年収は、職種や経験、所属する企業や研究機関の規模などによって異なります。日本国内の平均的な食品研究職の年収は、大まかな目安として550万円~600万円ほどです。

経験年数が浅めであると、少し他の研究職よりも低めの傾向があるようですが、経験を積むと、専門性の高さから、ITや工学系の研究職とあまり変わらない水準となるようです。

 

食品研究職の働き方・経験年数に応じた収入の変化は?

食品研究職は、研究開発や品質管理など専門性が求められる分野であり、そのスキルや専門知識に基づいて評価されることが多いです。そのため、高度なスキルや経験を持つ上級職では、他の専門職と同等かそれ以上の年収を得ることも多く見られます。

 

長期キャリアで高収入も

食品研究職の年収も、専門分野や働く人の経験などの要素に左右されます。業界全体のトレンドや企業の経営戦略、個人のスキルや経験によって大きく変動するため、特定の業界との比較において「高い」または「安い」と絶対的な評価をすることは難しいです。

しかし、一般的に経験・専門的知見があることが高く評価されるので、もしも高収入を目標に置くのでしたら、上級職にふさわしい経験を積んでおくこと、また上級職はマネジメントも任されることが多いので、管理職の登用のチャンスを逃さないことなどがポイントとなります。

 

 

食品研究職の将来性とは?

食品研究職の市場規模、特に健康食品を中心とする伸びが大きい展望があります。また、シニア向け食品・健康食品・SDG関連など、活躍の幅が広がるでしょう。専門性が生かせるポジションにつくため、派遣で経験を積むことも、キャリアアップのために役立ちます。詳しく見てみましょう。

 

市場規模はまだ伸びる

食品市場では、市場規模の伸びの大きい分野がいくつかあります。

 

・機能性食品市場

健康食品の市場規模は1%増の8925億円、機能性表示食品市場は11%増の4692億円の見込み(矢野経済研究所調べ)とされており、今後も拡大傾向はしばらく続く見込みです。

 

・ビーガンフード市場

ビーガンフード、すなわち植物性食品の市場規模は、世界で年率10%に迫る勢いでの伸びが見込まれています。

 

・介護食、高齢者食、病人食市場

矢野経済研究所では、介護食、高齢者食、病者食の加工食品市場規模は2026年度には2,091億円に拡大すると予測し、調理品(病院や施設の給食、弁当等の配食サービス)市場規模が、2026年度には1兆5,923億円に拡大すると予測しています。

 

こんな分野が注目されている

食品研究職の人が今後チャレンジできる新しい分野や需要が伸びそうな分野は、以下のようなものが考えられます。

 

・プラントベースドフード(植物由来の食品)

プラントベースドダイエットやベジタリアン・ヴィーガン食の需要が増加しており、植物由来の食品開発や栄養バランスの研究が重要となっています。代替肉製品、植物由来の乳製品、新しい植物原料の利用など、この分野においての研究開発や品質管理の需要が高まっています。

 

・食品廃棄物削減とサステナビリティ

食品廃棄物の削減やサステナビリティへの取り組みが注目されています。食品ロスの削減技術や、廃棄物をリサイクルや再利用する方法の開発、持続可能な包装材料など、環境に配慮した食品技術の研究が求められています。

 

・個別指導の栄養カウンセリング

個々の健康や栄養ニーズに合わせたカスタマイズされたアドバイスが求められており、栄養カウンセラーとしての需要が増加しています。食品研究職の専門知識を活かし、個別の健康管理や食事指導に関わる分野もあります。

 

・機能性食品と栄養補助食品

健康や美容をサポートするための機能性食品や栄養補助食品の需要が高まっています。新たな成分の研究や、栄養素の効果を検証する研究、安全性の確認などが求められています。

 

・食品のデジタル化とテクノロジー

テクノロジーの進化により、食品の製造、品質管理、配達、消費のプロセスが変化しています。IoT(モノのインターネット)、AI、ブロックチェーンなどのテクノロジーを活用した新しい取り組みが求められています。

これらの分野は、現代の食品業界における重要なトレンドとなっており、食品研究職の人が新たなチャレンジやキャリア展開を考える上で、魅力的な選択肢となるかもしれません。ただし、選択する分野には市場のニーズやトレンドをよく理解し、関連するスキルや知識を磨くことが重要です。

 

将来に向けてあなたのキャリアプランはどう立てる?

食品研究職のキャリアプランを立てる際には、市場の現在の情勢や将来のトレンドを考慮しつつ、自身のスキルや興味に合った道を見つけることが重要です。以下の事項に注意しながら、長期的な視野に立ってキャリアプランを描いてみましょう。

 

自己評価と目標設定

まず、自分のスキルや専門知識、興味を客観的に評価しましょう。その上で、将来のキャリア目標を設定します。上位ポジションへの昇進、新しい分野への転身、リーダーシップの発揮など、何がしたいのかをよく考え、具体的な目標を明確にします。

 

トレンドの把握

食品業界の最新トレンドや市場動向を把握し、どの分野が成長しているか、どの技術やニーズが注目されているかを理解します。新たな分野や需要が伸びそうな分野を見極めることが重要です。

 

スキルの獲得と磨き

目標に合わせて必要なスキルを獲得し、既存のスキルを磨くことが大切です。新しい技術やツール、分析手法、管理スキルなど、市場で求められるスキルを学びます。

 

ネットワーキング

業界内でのつながりを築き、他のプロフェッショナルとの交流を深めます。ネットワークを通じて新たなチャンスや情報を得ることができます。

 

派遣からのキャリアプラン

派遣で食品研究職に就いている場合も、同様のステップを踏んでキャリアプランを立てることができます。派遣先での実績を積み上げ、専門スキルを磨くことで、将来的に正社員への登用や他の企業への転職の機会を大きく広げることもできます。

 

 

まとめ

食品研究職には、現状の企業からの募集数に対し応募が多い傾向があります。しかし、今後を考えると、明るい展望がある職種と考えられるでしょう。そこで、長期にわたるキャリアプランを柔軟に考えるのがおすすめです。

派遣の働き方もその一つで、経験を積み、徐々にステップアップをしながら意中の職場で働くことを目指すこともできます。

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