
化粧品研究職の転職事情とは?転職プランの立て方を解説!

化粧品業界の研究職は、新卒の就職時から人気が高く、狭き門と言われています。実際に優秀な人材も集まりやすいようです。その一方、キャリアを重ねているうち、「やりたいことに取り組みたい」「年収をアップさせたい」と転職を希望するケースも増えているようです。
そこで、化粧品研究職の仕事内容と、転職可能性や転職のコツについてまとめました。転職の検討にお役立てください。
目次
化粧品研究職とはどんなお仕事?
化粧品研究職には、基礎研究・処方研究・安全性調査・特許法令と、大きく分けて4つの職種があります。
基礎研究は中でも募集が少ないので、激戦となりやすい傾向があります。基礎研究よりも、処方研究や安全性調査の求人数が多めです。また、特許が多く出願される分野であるため、特許を取るための研究分野もあります。
基礎研究
基礎研究は、化粧品の成分や効果に関する基本的な科学的知識を研究する分野です。化粧品の成分の働きや相互作用、皮膚への影響などを理解し、新しいアイディアや発見をもとに、将来的な製品開発の方針を立てる役割を果たします。
処方研究
処方研究では、化粧品の製品開発における成分配合や処方設計を担当します。安定性や相性などを考慮しながら、最適な成分の組み合わせや配合比率を検討し、製品の質や効果を最大化するための試験や実験を行います。
安全性調査
化粧品研究職では、製品の安全性を確保するための評価が重要です。成分の皮膚刺激性やアレルギー反応、眼刺激性などを検証し、使用者に安全な製品を提供するためのデータを収集・分析します。また、化粧品の長期使用における安全性評価も行います。
特許法令
化粧品分野は特許出願が必要な技術が多いため、特許に関する業務では、自社の製品や技術に関する特許出願や管理を行います。また、国内外の化粧品関連の法規制に従った製品開発やマーケットへの導入を担当します。製品が安全かつ法律に適合するように管理する役割があります。
これらの業務も技術的な素養や、調査研究に裏打ちされたものでなければ社会の要請に合うものにはなりません。そのため、研究職の業務の一部となります。
業務を通じて、化粧品研究職は科学的な知識や評価手法を活用し、高品質で安全な化粧品の開発や改良を推進します。
化粧品研究職の転職の難易度は?どんなところに転職可能?
製薬分野や化学薬品分野を除くと、化粧品業界からの転職は基本的に同業種になりがちです。
そこで、今までの経験をアピールするのが転職では最も有効と考えられます。一方で、新規参入は若干ハードルが高めといえます。
また、やりたいことがある人は、化粧品メーカーでもどこに行くかによって実現できることが異なる点については留意が必要です。事前の情報収集と吟味をしっかりしてミスマッチを防ぐ必要があります。
以下で、どのような転職を実現することが可能か、転職難易度と攻略法についてまとめてみました。
他分野からの参入は難易度高
化粧品業界は専門性が求められる業界であり、特に経験や知識がない場合、他の分野からの転職は難易度が高いことがあります。
化粧品業界は製品の特性や規制、トレンドなどが独自であり、これらを理解する必要があります。そのため、化粧品に関する知識や経験を持つ人材が選ばれることが多いです。
一方、近接領域の製薬または化学薬品の分野から、化粧品製造工程や、成分において重なる分野に専門性がある方は、経験者同様に可能性があります。そこで、経験を十分アピールすることに努めましょう。
なぜ、ご自身の専門分野と志望する化粧品の分野との研究プロセスが同じで、活用できるといえるのか、どんな価値を製品にもたらすといえるのか、応募書類や面接で説明できるように準備を進めましょう。
経験を生かして即戦力に!
化粧品業界への転職で有利なのは、既に化粧品業界での経験を持っている場合です。経験を活かして即戦力として活躍できる可能性が高く、特に製造や研究開発などの技術的な職種で求められます。業界内での人脈や知識も活用し、転職の際にアピールポイントとなるでしょう。
どの会社でやりたいことを実現できる?製造・製造販売・企画販売の違い
化粧品業界には製造、製造販売、企画販売と大きく分けて3種の会社が存在します。研究職に限らず一般的に化粧品業界で働く場合にはこれらのどのビジネスに自分が向いているのか、やりたいことがあるのかを考える必要があります、
製造は製品の製造工程や品質管理を担当し、技術的なスキルが求められます。製造販売は製品の企画から販売まで幅広い業務を担当し、マーケティングや営業スキルが重要です。企画販売は新商品の企画やマーケティング戦略を策定し、消費者のニーズに合った製品を提供します。
研究職ですと、製造または製造販売の会社で働くのが典型的なキャリアのあり方ですが、企画販売に生かせるスキルを持っている方も中にはいます。どの業態の会社で自分の活躍の具体的イメージが持てるのか、事前に詳細リサーチ・企業研究を行ったうえで転職先を検討しましょう。
化粧品から製薬・化学薬品分野への転職
化粧品業界から製薬分野への転職は一般的です。また化学薬品分野でも一部化粧品研究のキャリアを生かせる機会があります。しかし、異なる業界であるため、一部のスキルや知識を補う必要があります。
特に製薬業界は医薬品の規制が厳しいため、科学的な専門知識や品質管理のスキルが求められます。転職する際には、化粧品業界で培ったスキルと製薬分野での要求を照らし合わせ、書類や面接において説明できるように準備しましょう。
化粧品研究職の求人は非公開も多い!エージェントを活用した転職を
化粧品研究職の求人は、一般に公開されていないものも多いので、エージェントに登録して進めるのが賢明です。非公開求人は、エージェントで情報を持っているためです。
また、エージェントには、経験を面接・書類でどのようにアピールするか、積極的に相談してみましょう。英語力は一般的に高度なものは問われないので、外資も視野に入れて活動してみることをおすすめします。エージェントを活用しつつ、転職を進めるためのプランと検討項目は以下の通りです。
転職理由の整理と、キャリアの棚卸からはじめる
まず、なぜ化粧品研究職からの転職を考えているのか、その理由を整理しましょう。仕事に不満や課題があるのか、新しいキャリアチャレンジを求めているのか、希望する職場や業界の変更を考えているのかを明確にしましょう。また、自身のキャリアを振り返り、過去の経験や成果を整理してみて、新たなキャリアへの展望を描きましょう。
エージェントに登録してみよう
転職エージェントに登録することで、専門家のアドバイスや求人情報の提供を受けることができます。自分の希望条件やスキルを伝え、エージェントがマッチする求人を紹介してもらいましょう。また、非公開求人情報も提供されることがあり、転職活動を効果的に進める一助となるでしょう。
経験のアピール方法を検討する
化粧品研究職での経験をどのようにアピールするかを検討しましょう。経験がものをいうことが多いので、専門知識やスキル、研究結果などを具体的に示すことで、転職先での価値を訴えることができます。また、プロジェクト経験やリーダーシップなどもアピールポイントとなるでしょう
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英語力はあまり問われない!外資も検討してみよう:
化粧品業界では英語力が求められることもありますが、必ずしも全ての職種で必須ではありません。英語力が不足している場合でも、日本国内の企業や国内市場をターゲットに転職先を検討することも一つの選択肢です。また、外資系企業も魅力的なキャリアチャンスを提供しており、英語力があれば国際的な経験を積むことも可能です。
上記を参考に、化粧品研究職からの転職活動を進めてみてください。自身のスキルや経験を最大限に活かし、新たなキャリアへのステップを成功させるためには、エージェントにしっかり相談し、疑問点の解消と、情報収集に努めてください。
まとめ
化粧品研究職は、基礎研究・処方研究・安全性調査・特許法令が主な仕事内容です。転職する際には、いずれの職種でも経験が重視されます。
経験や、今までの実績のアピール方法の検討や、求めるキャリアの志向を明確にしておくことなどが転職の成功のポイントです。また、非公開求人も多くある職種ですので、エージェントを上手に利用しましょう。