【無期雇用派遣とは】どんなメリットがある?正社員とどう違うの?

サムネイル

「無期雇用派遣ってなに?」と思っている方はいませんか?

「無期雇用派遣」とは、2013年(平成25年)に労働契約法が改正され「無期労働契約の転換」というルール(5年以上同一の職場で勤務した者は「無期雇用派遣に転換可能」)ができて誕生した新たな制度(2018年4月以降から適用)です。

派遣契約を検討している方にとっては気になるところでしょう。

今回は、無期雇用派遣について、メリットやデメリット、正社員との違いなどを解説します。

 

無期雇用派遣ってなに?

無期雇用派遣という制度が適用されてからまだ10年ほど。世の中への浸透具合はまだまだのようです。まずは、無期雇用派遣という制度を理解するところからはじめましょう。

ここでは、無期雇用派遣の定義、派遣の種類、無期雇用派遣と登録型派遣の違いなどを解説します。

 

無期雇用派遣とは

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めのない労働契約(無期労働契約)を締結して働く派遣のことを指します。

形式的には派遣会社に雇われている状態であり、同じ職場で長期間働くことが可能な制度です。

無期雇用派遣に転換するには、「有期雇用契約期間が通算して5年超」「1回以上の契約更新」「同一の派遣元との契約」の3つの条件をクリアする必要があります。

 

派遣の種類を理解しよう

無期雇用派遣を理解する前提として、派遣の種類を理解しましょう。

派遣には、大きく分けると「常用型派遣」と「登録型派遣」の2種類があり、「常用型派遣」は、「無期雇用派遣」とも呼ばれています。

 

無期雇用派遣と登録型派遣の違いを理解しよう

「無期雇用派遣」と「登録型派遣」の違いを表にまとめると以下のようになります。

 

無期雇用派遣(常用型派遣) 登録型派遣
労働契約の期限 無期 有期
待機期間中の給与 あり(月給制) なし(働いた分のみ)
待機期間中の勤務 あり なし
仕組み 派遣会社に雇われている形 登録して派遣先を紹介

 

「無期雇用派遣」と「登録型派遣」の違いは、主に「仕組み」と「給与の支払われ方」に表れます。

「無期雇用派遣」は、派遣先が未定の状態でも派遣会社と雇用契約を結ぶため、「派遣会社に雇われている」状態となります。派遣先が未定で、実際の業務がない間(待機期間中)も月給を受け取ることができます。もちろん、派遣会社に雇われるので、派遣会社の採用選考を通過する必要があります。

他方、登録型派遣は派遣会社に登録するだけで派遣先を紹介してもらえますが、派遣先が未定の状態では派遣会社との雇用契約は結ばれず、待機期間中は給料が受け取れない点が無期雇用派遣との大きな違いです。

 

 

無期雇用派遣のメリット・デメリット

無期雇用派遣には、メリットだけでなく、デメリットもあります。

無期雇用派遣に関するメリット・デメリットを把握することは、自身の働き方を選択する上でとても重要です。

ここでは、無期雇用派遣のメリット・デメリットをご紹介します。

 

無期雇用派遣のメリット

無期雇用派遣には、以下のようなメリットがあります。

 

  • ・待機期間中も収入(月給)がある安定した働き方ができる
  • ・派遣先は派遣会社により保証される
  • ・社員のように昇給や賞与、交通費支給、福利厚生など各種制度がある
  • ・研修などのサポートを受けられる
  • ・同じ職場で長く働ける

 

無期雇用派遣の最大のメリットは、収入面、派遣先、待遇面など安定した雇用が期待できる点です。

 

無期雇用派遣のデメリット

無期雇用派遣には、メリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。

 

  • ・社員と違って途中で雇用契約を切られる可能性がある
  • ・紹介予定派遣と違い、将来社員になれるという保証はない
  • ・多くの企業でキャリア人材育成として無期雇用派遣を活用するため、年齢が上がると採用される可能性が低くなる
  • ・若年層で高スキルの人材が求められる
  • ・派遣先の紹介の回転率が高く、すぐに新しい職場や仕事に慣れることが要求される上、長期休暇などは取れないので、派遣特有の自由な働き方ができない
  • ・派遣会社から派遣先が指定されるので、登録型派遣に比べて職場の選択肢が狭くなる

 

無期雇用派遣のデメリットとしては、正社員とまったく同じではない点や、派遣特有の自由な働き方ができないという点です。

 

 

無期雇用派遣と正社員の違い

無期雇用派遣は、無期で雇用されているため正社員のように扱われ、正社員との違いがわかりにくいといった傾向があります。

しかし、無期雇用派遣もあくまで派遣社員としての位置づけは変わりませんので、正社員との違いをしっかりと押さえておきましょう。

ここでは、無期雇用派遣と正社員の違いについて解説します。

 

無期雇用派遣と正社員の比較

無期雇用派遣と正社員との違いを理解する上では、「無期雇用派遣と派遣先企業の正社員」と「無期雇用派遣と派遣会社の正社員」の違いを理解しておきましょう。

 

≪「無期雇用派遣と派遣先企業の正社員」との違い≫

無期雇用派遣は、1つの派遣先で長期間働くことが可能なので、あたかも派遣先企業の正社員と同じような扱いをされることがありますが、あくまでも派遣社員という立場なので、派遣先企業と派遣会社との派遣契約が終了すれば、派遣先企業では働けなくなります。

また、無期雇用派遣スタッフは、派遣会社と雇用契約を結んでいるので、給与規定や福利厚生などは派遣会社の規定に準じる点も派遣先企業の正社員とは異なる点です。

 

≪「無期雇用派遣と派遣会社の正社員」との違い≫

無期雇用派遣スタッフも派遣会社の正社員も、派遣会社に雇用されている点では同じであり、社会保険や福利厚生、研修制度やキャリアアドバイスなども同様に利用可能です。

しかし、あくまで正社員と派遣スタッフという違いが前提としてあるので、勤務地や勤務内容などに違いが表れます。

無期雇用派遣スタッフは派遣先企業で働くことが前提となり、原則として派遣会社内の業務を行うことはありません。

さらに、業務における指揮命令権限も、無期雇用派遣は派遣先企業に権限があるのに対して、派遣会社の正社員は、当然のことながら派遣会社に権限があります。

 

無期雇用派遣・正社員・登録型派遣の違い

最後に、「無期雇用派遣」「正社員」「登録型派遣」の違いについて表にまとめました。ぜひ参考にしてください。

 

無期雇用派遣 正社員 登録型派遣
契約期間 無期 無期 有期
給料 月給制 月給制 時給制
賞与 あり あり なし
昇給制度 あり あり あり
交通費 あり あり あり
待機期間中の収入 あり なし
その他 ・派遣先が常にある

・1つの派遣先で長期勤務でき、キャリア形成しやすい

・長期キャリア形成可能

・社会的信用高い

・転勤・業務変更あり

・自由な働き方可能

・気軽に登録・勤務

 

 

まとめ

ここまで、無期雇用派遣についてのメリット・デメリットや正社員との違いなどをご紹介しました。

派遣社員には、登録型派遣と無期雇用派遣(常用型派遣)という2つの種類があり、仕組みや給料の支払われ方に違いがあります。

無期雇用派遣とは、正社員に近い性質を持った派遣形態があるので、「正社員とどう違うのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、あくまで立場は派遣社員です。

無期雇用派遣のメリット・デメリットを理解した上で、働き方を選択することをおすすめします。

無期雇用派遣を選択するなら、無期限派遣の求人が多い派遣サービスを活用することをおすすめします。

 

関連記事