
【研究職未経験】文系出身でも研究職の仕事ができるの?

「研究職は理系の仕事」と思っている人も多いのではないでしょうか。
「文系出身者は研究職に就けないのか?」文系出身者でも研究職に興味を惹かれている人は、こんな疑問を抱えていることでしょう。
今回は、研究職未経験の文系出身者が研究職に就業できるのかという点に関してさまざまな観点から深掘りしていきましょう。
目次
未経験・文系でも研究職に就けるのか?
研究職未経験の文系出身者でも研究職に就けるのでしょうか。
ここでは、研究職就業への可能性、研究職へのキャリア、就業事例などをご紹介します。
未経験・文系でも研究職に就ける
研究職とは、さまざまな分野の研究や開発に携わり、「基礎研究」や「応用研究」などが主な仕事です。
職場は、大手から中堅・中小・ベンチャー・老舗までさまざまな民間企業の研究所や、大学の研究室、公的機関などがあります。
やはり、研究職は理系中心の仕事で、文系の仕事は少ないのが現状です。
しかし、研究職未経験の文系出身者に研究職への道がないかと言ったら、決してそうではありません。
ただし、業界や企業によっては理系出身者に限定しているところもあるため、理系出身者と比べると選択肢は多少狭まるかもしれませんが、研究職未経験の文系出身者でも研究職に就ける可能性は十分あるので安心してください。
文系学生の研究職への道
文系学生が研究職へ就業するには、いくつかの道があります。
研究職というと、理系分野での自然科学などの研究を思い浮かべる人も多いと思いますが、文系分野の人文・社会科学などの学術研究も研究職の1つです。
学術研究を行う場合、学部生を卒業後、大学院の修士課程・博士課程と進学し、修士号・博士号などを取得してキャリアを積んだのち、大学職員として研究職に就くという道もあります。
また、一度他の職業に就業して、関連した知識や経験を積み、現場経験を活かして大学の研究職に転職するという道もあるでしょう。
なお、求人数は少ないですが、民間企業や自治体などの公的研究機関で学術研究の職に就くという選択肢も文系研究者のキャリアの1つです。
学術研究以外にも、研究所関係の事務職に就業するという道もあります。一般企業の事務職と同様に、一般事務、経理事務、医療事務などです。
文系の研究職の事例
文系研究職には、以下のような職場での事例があります。
- ・大学教員や職員
- ・公的機関の研究所職員
- ・民間企業の研究職
以下、順に事例を見ていきましょう。
≪大学教員や職員≫
文系学部の大学教授・准教授・助教授なども立派な研究職です。
哲学などの人文・社会科学系のように考えを深めていく分野、歴史学や考古学などのように地道に研究に勤しむ分野、心理学など実験を伴う分野などさまざまです。
一般的には、学部生から大学院へ進学して、そのまま大学に残り大学研究職に就業するといったパターンが多いようですが、なかには現場経験を活かして他業種から転職するといったパターンもあります。
たとえば経営学関連の分野では、経営コンサルタントのような経営に近いポジションで現場経験を重ね、経営学系の学部に転職して大学研究職に就業するといったパターンが挙げられます。
また社会福祉系の分野では、介護職や社歌福祉関連の相談業務などを経験したのち、大学の社会福祉の研究職に従事するパターンなどもあるでしょう。
≪公的機関の研究所職員≫
省庁や自治体、独立行政法人などの公的機関での文系研究職員として勤務する事例もあります。公的機関の研究所の例としては、文部科学省の国立教育政策研究所や金融庁の金融研究センターなどです。
経済学や社会学の分野の文系研究職としては、自治体で福祉や労働などに関するデータ分析を行う仕事があります。
社会福祉学の分野では、福祉系財団の研究所研究員として行う文献収集・データ分析・公開講座の運営などの仕事がひとつの事例です。
また、歴史学の分野として、研究所における資料調査を行う学芸員などの仕事もあります。
≪民間企業の研究職≫
民間企業の文系研究職の事例としては、シンクタンクの研究員などがあります。シンクタンクの研究員の募集は文系理系の区別がないので、文系出身者が研究職を目指すには比較的おすすめです。
その他にも、銀行系や証券会社、保険会社などの金融業界も文系研究職の募集が見受けられます。
さらに、ITインフラ系コンサルティングなどの仕事も文系研究職です。
未経験・文系が研究職に就くためにやるべきこととは
理系文系問わず、研究職に就くためにはそれなりの準備や努力が必要とされます。ここからは、とくに研究職未経験の文系出身者が研究職に就くためにやるべきことを紹介します。
①業界・企業研究
② 実績づくり
③インターンシップ制度の活用
④ 研究職で活用するスキルの修得
⑤転部
以下、順に解説していきましょう。
①業界・企業研究
研究職の業界や企業に関して、以下のようなことを研究しておくことも重要になってきます。
- ・応募したい職場には、文系出身者の募集があるのか
- ・理系出身者であること、理系の専門知識の習得を限定条件にされていないか
業界・企業研究には、インターネットなどによる情報収集、OB/OG訪問や会社説明会などを活用しましょう。
②実績づくり
研究職とは、幅広い分野の仕事をさまざまなバックグラウンドのある人が専門知識やスキルを活かせる仕事です。
研究職に就業するには、知識やスキルが求められます。準備として、十分な知識やスキルを修得して、就業する際にアピールできるよう、研究実績を積んでおきましょう。
③インターンシップ制度の活用
インターンシップへの参加もおすすめです。職場体験などを通して、自身に向いている職場かどうかの判断ができます。
仮に研究職のインターンシップがない場合でも、文系職種のインターンシップに参加して、研究職への就業が可能かどうかを確認することもいいでしょう。
インターンシップの実績を評価してくれる企業もあります。
④研究職で活用するスキルの修得
研究職で活用が想定されるスキルの修得も大切です。たとえば、語学力を身につけることも文系出身者が研究職に就業する際のアピールポイントの1つです。
研究職の仕事をする上で、外国語の資料や文献を調べたり、海外の研究関係者と話すときに通訳として貢献できたりと語学力を活用する場面があります。
留学する、または独学で勉強するなどして、研究職に活かせるようなスキルを身につけることが、文系出身者が研究職に就業する上での武器になるでしょう。
⑤転部
どうしても応募したい職場が理系出身者に限定しているなど、文系出身者では就業できないような高いハードルがあるのであれば、最後の手段として、理系学部への転部も1つの手段でしょう。
大学ごとに認定試験制度があり、転部が認められます。文系から理系への転部のハードルは高いですが、どうしてもという想いがあれば乗り越えられるでしょう。
まとめ
ここまで、研究職未経験の文系出身者が研究職に就業できるのかということに関してさまざまな観点からアプローチしてきました。
研究職未経験の文系出身者でも研究職に就けるということを理解していただけたのではないでしょうか。
文系出身者は、理系出身者に比べればこれまで学んできた専門知識は少ないのかもしれませんが、研究職に就きたいという情熱を持ってやるべきことを準備すれば、就業は可能です。
研究職未経験の文系出身者が研究職に就業するには、研究職の就職・転職に特化した転職エージェントを活用することをおすすめします。